Vol.01ライブ・レコーディングであること/オノ セイゲン ( レコード制作家、作曲家 )

では、それぞれのアルバムの音楽としてのポイントは?

音楽としてのポイント?考えたことのなかった難しい質問です。言葉で表現することは簡単ではありません。この2枚のアルバムで私は作曲家であり、演奏もしています。また録音のディレクターとしての立場で演出もしていますので、その立場から狙って重要なポイントは、ライブ・レコーディングであること。それぞれのミュージシャンの演奏の個性、音色の魅力を最大限引き出せたアルバムであるということでしょうか。
どんな聞き方をされようとまったくリスナーの自由です。客観的な考察として、私のもっとも信頼する音楽評論家のひとり、松山晋也さんが書いてくれたライナーノートです。なるほどこういう風に聴いてくださったんだ、と感心しました。音楽としてのポイントを的確に捉えています。さすがでございます。音楽はパーソナルなもので、その本質的価値とは、あなた自身の趣味趣向に大きく左右されます。忙しい現代社会の中でせっかくお時間ちょうだいしたのに、その音楽自体がお気に召さなかったという場合もあります。すべての人に気に入ってもらえる料理や音楽なんてありませんので、こればかりは押し付けられません。

『セイゲン・オノ・アンサンブル/アット・ザ・ブルーノート東京』
・OMCA-1075
・オノ セイゲン
・定価¥3,000(税込)
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アット・ザ・ブルーノート東京

「アット・ザ・ブルーノート東京」の方が先にライブ・レコーディングされました。Seigen Ono Ensembleは、1993年にスイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルでデビューして、94年も再演し、90年代はカルテットなども含めて主にヨーロッパだけで活動しました。メンバーがサンパウロ、ニューヨーク、ロンドン、パリそして東京でしたので、みんなで集まれる中心が夏のヨーロッパだったんです。ブルーノート東京が日本で初めてのライブのオファーをしてくれたときは嬉しくて、この1晩、2セットのライブのために書き下ろした新曲ばかりで固めたんです。普通に考えれば少なくともファンが知っている曲を中心に構成すべきでした。でも東京で一番好きなミュージシャンばかりを集めてできるのに、それでは自分がつまらない。ファーストセットが始まると、いつもと客席の雰囲気が違う。ヨーロッパではいつもリラックスしているのに客席が、なにが始まるんだろう?どんなことやるのかなぁ、というか緊張感にあふれていて。ステージ上はお聞きのようにリラックスして音楽に入りこんでますよ。曲がすすむにつれて気がついたんですが男性客ばかりで。こちらとしてはどちらかというとかわいい女の子多い方が楽しいなと思っていたんですが。(2003年のときは男性のみのグループはご遠慮願いました)。そんなステージの気持ちと客席の雰囲気を想像しながら、これはぜひワインも添えて楽しんでください。「アット・ザ・ブルーノート東京」のポイントはワインが美味しくなることです。

『マリア・アンド・マリア』
・OMCA-1074
・オノ セイゲン
・定価¥3,000(税込)
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マリア・アンド・マリア

「マリア・アンド・マリア」は、さらに曲を書き加えて、ニューヨークのクリントン・スタジオでスタジオライブ録音です。「アット・ザ・ブルーノート東京」と対になっているアルバムとも言えます。音楽としてのポイントは、やはりライブ録音であるということにつきるかな。ニューヨークには1980年代から何度も通っていました。ダウンタウン中心でオルタネイティブ系の今やスタープレーヤーたちと、多くのプロジェクトに関わりました。大好きなミュージシャンの個性と組み合わせ。ジョン・ゾーン(Alto Sax)、ピーター・シェラー(Keyb)、マーク・リボー(Gtr)、ジョーイ・バロン(Dr/Perc)、ホメイロ・ルバンボ(Gtr)、ジル・ジャフェ(Vl/Vla)、マキシーン・ノイマン(Cello)、ジェーン・スカルパントーニ(Cello)、みんな気心の知れた古い友人たちです。彼らは腕も一流ですから、「マリア・アンド・マリア」のベーシックな録音は、2日半で完了しています。スタジオで初めて譜面をみせてポイントを説明し、ポイントをおさらいするだけでフレッシュなままどんどん録音していきました。13曲目に入っている「First Song」は初日の最初に録音したもので、テイク1のみ。他の曲は2〜3テイク録って、あとからテイクの選択や編集をしています。

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