ピアニスト・コンポーザー・アレンジャー

大西 順子

Grammy賞受賞レコーディングエンジニアJim Anderson氏と長くパートナーを組む大西順子さん。今回はそのJimAnderson氏が大西順子さんを紹介してくださりECLIPSEユーザーになって頂けました。

Jim Anderson氏 当サイト掲載ページ
大西順子氏KOBEJazz.jp掲載ページ

初めてECLIPSEを聴いた時の印象は、本当にすぐそこ、まさに目の前で行なわれているコンサートを聴いてる、という感じ。 なんと言うか、今まで聴いていたスピーカーというものの概念が完全に変わってしまったというか。 映像に例えるとまさにハイビジョンという表現があてはまるという印象で、プレーヤー(演奏家)とエンジニアの考え方やスキル、そういうものを鏡のように映し出してしまっている。

録音の時には自分のコンディションであるとか楽器のコンディションなどが必ずしも自分が求めるベストな状態の時ばかりではなく、それこそいろんなことが起こるんだけれど、そういった事も全て含めて記録(レコード)だとは思っている。ただそれがこんなにも再現されるのか、といった驚きがあった。

例えば過去のとある作品を聴いたとき、それは自分にとってはまさに「struggle(奮闘)だった」という事をまざまざと想い起こさせた。 その日のピアノは決してベストなものではなかったのであるが、ピアノのハンマーアクションが自分に追いつくか追いつかないかのぎりぎりの追い込みに苦戦している自分がそこにいた。

これはある意味アーティストにとっては恐ろしいことであり、そういう意味でこのスピーカーに対しては賛否両論があるかもしれない。ただ、私にはこうあるべきと思っている音が出ているなと強く感じた。

このスピーカーに対して、今までのオーディオファン、特にご年配の方々がどう受け取られるのかは分からないけれど、スピーカの持つキャラクターが極めて少ない分、音の印象はイヤフォンに近いかなと。 そしてそういう意味では今の若者達にはかえって受け入れられるんじゃないかな、いう印象も受けた。

profile

大西 順子 (ピアニスト・コンポーザー・アレンジャー)

1967 年4月16日、京都生まれ。東京に育つ。1989 年、ボストン、バークリー音楽大学を首席で卒業、ニューヨークを中心にプロとしての活動を開始し、ベティ・カーター(vo)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、ジャッキー・マクリーン(as)、ミンガス・ビッグ・バンド、ミンガス・ダイナスティらと共演する。

1993 年1月、デビュー・アルバム『ワウ(WOW)』を発表。大ベストセラーとなり、同年のスイングジャーナル誌ジャズ・ディスク大賞日本ジャズ賞を受賞。94年4月、セカンド・アルバム「クルージン」が米国ブルーノートより発売される。5月、NYの名門ジャズ・クラブ“ビレッジ・バンガード”に日本人として初めて自己のグループを率いて出演し、1週間公演を行う。同公演を収録した、『ビレッジ・バンガードの大西順子』は、スイングジャーナル誌ジャズ・ディスク大賞銀賞、出光音楽賞を受賞。

95年のスイングジャーナル誌読者投票では、<ジャズマン・オブ・ジ・イヤー>をはじめ、<アルバム・オブ・ジ・イヤー><コンボ><ピアノ>の4部門を受賞。人気実力ともに日本ジャズ・シーンのトップに昇りつめる。その後日本のジャズの牽引者として縦横無尽の活躍を果たし、近年の本格的な女性ジャズ・ミュージシャン・ブームの先駆けともなるが、2000年3月の大阪公演を最後に突然の長期休養宣言。

2007年のシーンへのカムバック後、着実にかつての演奏スタルを発展し、音楽を発信し続けている大西順子。2010年、ユニバーサル移籍第一弾、本格復帰となる新作を、かつてプロとしてのキャリアを スタートさせたニューヨークでレコーディング。

同世代のファーストコールのミュージシャンをずらりと揃え、ダイナミックで、リッチなアコースティク・ジャズサウンドを存分に披露したアルバム”バロック“をリリース。7月に日本先行発売されたこの新作はアメリカ、ヨーロッパを含む世界各国でリリースされており、高い評価を得ている。

そんな中ビッグニュースが本場アメリカのジャズシーンより届いた!ニューヨークのフリー・ジャズ・マガジン「ALL ABOUT JAZZ - NEW YORK」が選定する“ALBUMS OF THE YEAR”に、見事『バロック』が選ばれた。

また、昨年10/19にマンハッタンのジャズ・クラブ「ジャズ・ギャラリー」で開催された現地ジャズ・メディア向けのショウケース・ライヴも、“CONCERT OF THE YEAR”に選ばれた。9月にはオーチャードホールでの公演を大成功におさめる。

約7年間という長期活動休止期間を経て再びピアノに向かいメッセージを発信し続ける大西順子。今まさに成熟した大西順子の音楽は新たなフェイズの始まりを十分に感じさせるものであり、2011年4月にはLA,SF,NYの3大都市を巡る久しぶりのUSツアーが控えている。さらにパワーアップした彼女の活動には今年も目が離せない。

大西順子 オフィシャル・サイト http://www.junkoonishi.com