レコーディング・エンジニア

Simon Rhodes

サイモン・ローズ

アビーロード・スタジオ
上級レコーディングエンジニアをも魅了した究極のHi-Fiサウンド

このスピーカー(TD712z)は、あなたに向かってがなり立てたりしない。ひたすら優しく、あなたをまったく新しい音楽鑑賞の世界へと誘ってくれる。多くの音楽には、演奏が始まった刹那、演奏家から発せられた音のエネルギーがスタジオの空間を埋め尽くし、そのエネルギーが落ち着く瞬間が存在する。私たちは、この瞬間さえもマイクやミキシング卓、録音機材によって拾い上げることができるが、従来のスピーカーではこれらを再生できる程素早く反応できなかったため、スタジオで磨きあげた音色の多くの部分が、家庭では忠実に再現できなかった。しかし、このスピーカーは極めて鋭敏に反応するので、これまで失われていたディテールまで聴くことができる。特定の楽器(生音の個性を大事にする、ギターやピアノ、打楽器などのアコースティック楽器)を再生したものでは、私が今までで聴いた中で最高のものと言える。

profile

サイモン・ローズ (レコーディング・エンジニア)

サイモン・ローズは物理学と音楽の優等学位を修めた後、1987年にアビーロード・スタジオの一員となった。現在は上級レコーディング・エンジニアとして、映画及び音楽業界を通じて、その多才ぶりと模範的な誠実さで国際的な尊敬を集めている。
彼は豊富なクラシック音楽の経験があり、多くのサウンド・トラック・アルバムを共同制作するとともに、有名なハリウッド映画の楽曲の制作も数多く行っている。ジェームス・ホーナー、ジョン・ウイリアムス、トレバー・ジョーンズ、ジョン・デブニーといった多くの映画音楽作曲者と長年に渡って交際しており、「ビューティフル・マインド(2001)」、「怪傑ゾロ(1998)」、「ハリーポッターと賢者の石(2001)」、「ハリーポッターと秘密の部屋(2001)」、「ノッティング・ヒルの恋人(1999)」、「13デイズ(2000)」、「カット・スロート・アイランド(1995)」、「パッション(2004)」、「オペラ座の怪人(2004)」などの著名作品の音楽を録音している。
また、多くの称賛と受賞に輝いたベルリオーズの「トロワ」(コリン・デイビス/ロンドン・シンフォニー・オーケストラ(2001年))やプッチーニの「トスカ」(アントニオ・パッパーノ、アンジェラ・ジェオルグヒュ、ロベルト・アラグナ/EMIクラシック(2002年))など、多くの記憶に残る録音に携わり、第44回グラミー(2001年)では、エンジニアとして「最優秀クラシックアルバム賞」「最優秀オペラ録音賞」を受賞している。

第44回グラミー賞(2001)
最優秀クラシックアルバム賞(Best Classical Album)
最優秀オペラ録音賞(Best Opera Recording)