「TD712zMK2」のデモ講演での来場者の反応、現場で感じたこと/小原 由夫のサイト・アンド・サウンド(Ver.2:第7回)

この2月下旬に発売したイクリプス TDシリーズのフラッグシップモデルスピーカー「TD712zMK2」の拡販のため、2月21日から23日まで開催されたA&Vフェスタ2009、並びに3月下旬の3連休に首都圏に数店舗を展開する某AVショップで行なわれたデモ講演をお手伝いさせていただいた。

都合4回に渡って新しい「TD712zMK2」の音を私なりに分析し、CDやSACD、BD等を使ってそのセールスポイントを解説したわけだが、来場されたお客さんの反応は、押し並べて好意的であった。いや、むしろ驚かれていたといった方が正確かもしれない。その中には、「512」や「TD510」、「TD712z」等のユーザーも多くいらしたが(休憩時間やデモ講演後に話していてわかった)、異口同音に「圧倒的によくなった」とおっしゃってくださり、一方では「家のTDではここまでは出ない」と、ユーザーゆえの悲しい現実(!?)を溜息混じりに洩らされていくのだった。

ユーザーの方々の率直な反応だけに、大いに説得力のある感想が多かったのが印象的であった。ある方は、現在「TD712z」を2ch(ステレオ)システムでお使いとのことだが、ここまでパワーが入るようになり、しかも高域の抜けがよくなったなら、愛用中の「TD712z」をリアch用に回し、新たにメインスピーカーとして「TD712zMK2」を検討しようかとおっしゃっていた。この方は同時に、SACDやBDのサラウンドサウンドにおける「TD712zMK2」の空間再現力の高さに感激され、長年取り組んできたステレオシステムからマルチchシステムへの拡張をお考えの様子だった。

またある方は、TD510のユーザーで、デモ講演終了後にご持参された数枚のCDをかけながら、「自宅で感じていた不満がすべて解消されている。こんなに低音がしっかり出るなんて感激です。しかもTDならではのよさはしっかり継承されている」と分析されていた。やはり「TD712zMK2」の新規導入を検討されるようだった。

A&Vフェスタ2009が行なわれたの横浜のブースも、あるいは3連休のショップでも、10席前後という絞り込んだ人数にて、マルチchのスウィートスポット内という好条件にて聴いていただこうというコンセプトで実施したのだが、それが奏功したということでもあろう。そうした理想的な環境でTDのコンセプトをしっかりご理解いただきたいというスタッフの気持ちが来場者に伝わったに違いない。もちろんTDに関心を持ってくださっているアクティブな方々が、自らの意志で参加されたという面も無視できない。自由に出入りできる、いわゆる“流し込み”のイベントでは、こういう感想をお聞きすることは滅多にない。

つまり、「TD712zMK2」は、既にTDのコンセプトやフィロソフィー、そしてもちろんその唯一無二のサウンドを理解してくださっている感度の高い方々の耳にも、確かなアドバンスを伴ったものとして新鮮に響いたものと確信する。そのことには私もたいへん感激したし、デンソーテンのスタッフも大いに勇気づけられたことだろう。

そして改めて実感したのは、「TD712zMK2」がハイパワー再生、ワイドレンジ再生に俄然強い点だ。生来の空間表現力の高さは、異なる場所/空間にて同一のSACDサラウンドやBDの5.1chを再生してわかったが、効果音の遠近感や高さ、方向感がこれほど明瞭に再現できるスピーカーはない。加えて、ジャズベースのビートを太く、厚く再生する能力や、オーケストラの管楽器のきらめくようなハーモニーを実に伸びやかに再現できるようになった点が新しい驚きだ。

「フルレンジドライバー1基でここまで周波数レンジが出せれば、文句ないですよ!」とは、来場されたキャリアの長そうなシニア・オーディオファイルの言葉である。

私もまったく同感だ。